島の自然、感動とセットで伝えたい
島根県の隠岐地域を代表するネイチャーガイドの一人。移住して22年、自然のことなら深谷に聞け!が“島の常識”となっています。
ユネスコ世界ジオパークに認定されているほど豊かな自然が残る隠岐の海は、透明度が高く、島民の自慢でもあり、暮らしを支える島の宝です。その海を未来へ繋ぐために力を注ぐのが、体験をベースにした環境教育です。
「シュノーケリングや磯の観察会、海岸清掃などを通じて、海洋環境の多様性を実感してもらいながら、海の大切さや海洋プラスチック問題にも意識を向けてもらいたいと思っています。僕にとって海はレジャーではなく、教育の場です。一見美しく見える隠岐諸島の海でさえ、実は磯焼けが進み、漂着ごみも大きな問題になっています。美しい海を守っていくためには、その素晴らしさと共に危機的な実態も伝えていかないといけないと思います」
いつか実現したいと、特に力を入れるのが、自然の中で分解されないプラスチックごみをなくすこと。まずは、社会生活の中で、再生可能な素材の活用、普及を訴え、積極的に発信しています。
「離島では人の生活と自然との距離が近いので、個人の小さなアクションが自然を破壊するし、逆に環境を守ることもある。その実感から生まれる『自分も何かしなきゃ!』という気持ち、海の問題が自分事になったときに生まれる〝LOVE〟こそが環境保全活動の第一歩だと思っています。だからこそ、島の自然の大切さは感動とセットで伝えたい。しぜんむらでは今年10月からE-bikeで島のジオサイトをめぐるツアーを始めますし、来夏からは海体験で水中スクーターも導入します。楽しそうでしょ?楽しいんですよ(笑)。僕自身、隠岐の自然にどっぷり浸って遊びながら、未来の“守り人”を育てていきます」