「人は海と共にある」ために
何ができるだろう
世界の海と中継&
グループワークで
海洋問題を深掘り
2日目は「熱源ジュニア熱中授業」として、社会の幅広い人やモノ・コトと接点を持ち、最新の知見をインプット、議論をかわしながら最終的にアウトプットしていく情報量たっぷりの1日となりました。
神秘的な深海魚に興味津々!
中継で国内外の海の”いま”を知る
ゲストオブザーバーとして、初日に引き続きたかまつななさん(㈱笑下村塾 代表取締役)、野牧秀隆さん(JAMSTEC主任研究員)に加え、“さかなのおにいさん”として魚の魅力を伝える活動をしている川田一輝さん(ラジオDJ/MC)も登壇。専門家ならではの意見とアドバイスで子どもたちをやさしくサポートしながら、共に中継を見守りました。 富山県の魚津水族館の館長さんと中継をつなぐと「本来は赤道近くの熱帯・亜熱帯で獲れるリュウグウノツカイが、最近富山湾で大量に獲れるようになった」と、海洋環境の変化を危惧する現状が伝えられました。また、沖縄の“熱源”とつないだ際「実は、沖縄のビーチのほとんどが人工ビーチ。いつか天然のビーチがなくなってしまうかもしれない」と語られると、会場のそこかしこから驚きの声が漏れ聞こえてきました。各地の中継を見ながら、熱源ジュニアたちはワークシートに「疑問に思ったこと」「みんなで考えたいこと」「自分だったらこうするなと思ったこと」という3つの観点で熱心にメモを取っていきます。 特に熱源ジュニアたちが強い関心を寄せたのは、英ロンドンのネクトン財団のCEO Mr.Oliver Steedsとの生中継。Mr.Oliverは、まもなく開始が予定されている世界的な海洋生物探索プロジェクトの最高責任者を務めており、中継のなかでは最先端の海洋生物研究について語られました。潜水艦調査の貴重な記録とともに、神秘的な深海生物たちの写真が次々と表示されると、会場中の目が釘付けに。質疑応答の時間には積極的に手が挙がり、子どもたちは「深海何メートルまで生き物がいると思いますか?」「海の未来を守るために、私たちができることはなんですか?」と、この日のために事前に考えてきた内容を英語で質問。Mr.Oliverも「Very good question!」と丁寧に回答し、海を愛する日本の子どもたちとの交流を楽しんでいる様子でした。
2日間で培った結束力を発揮!
グループワークに挑戦
2日間の総仕上げとなるグループワークが行われました。テーマは「『人は海と共にある』という目標に向かって、自分たちに何ができるのか?」。これまで各自が取り組んできた研究内容や、「熱源リレー」の際のメモも活用しながら、A~Eの5つのグループごとにアイデアを出し合います。話し合いながら自然と役割分担ができているグループや、ゲストオブザーバーに積極的に尋ねるグループなど、2日間で各グループの個性が際立ち、結束力の高まりを感じられました。 海洋生物が主な研究テーマのAグループは、「魚と僕たちは、同じかけがえのない命。お互いが今の状況・環境を見直し、また保全活動を積極的に行っていくことが大切」と結論づけました。海の安全について考えるDグループは“海の安全=海の生き物と人間がどちらも豊かに暮らせること”と捉え、「海にふれる機会を増やし、海を好きになる人が増えればごみ拾いなどの行動につながるはず」と、わかりやすい図式にまとめて発表。
各グループのプレゼン資料
熱源ジュニアの多彩な活動報告に
専門家たちも感嘆!
それぞれの研究テーマに沿ってしっかりとまとめられた発表内容に、ゲストオブザーバーの3人も驚きを隠せない様子。川田さんは「僕たち大人が入り込めないぐらいグループの一体感があった」、たかまつさんは「海の環境問題に興味をもってもらうためのアイデアが素晴らしい」と絶賛。野牧さんは今後の取り組み方について「皆さんが知識だけじゃなく行動していることに感動した。他の分野の活動にも参加することで、結果的に海に貢献できることもあるかもしれない。いろいろな経験を積んでみてください」とエールを送りました。
日本財団 海野光行常務理事は「最初は皆さん緊張していてどうなるのかなと思ったけれど、徐々にうちとけ合っていろいろな発言がスムーズに出るようになりました。視点が小さくならず、“人と海との関係”という大きな議論に展開していき、他人の意見を聞きながらまとめていく方向に向かっていったのはとても頼もしい。熱源ジュニアの皆さんが今回のサミットで得た知見を地元に持ち帰り、どうやって周囲を巻き込み、どんな活動をしていくのか。これを見届けていきたいし、私たちがしっかりサポートしていきたいと思います」
まとめ
2日間、初めての出会いや新鮮な意見にふれながら、たくさんのことを学んだ 熱源ジュニアたち。新しくできた“海仲間”とともに、その熱をより広く、より多くの人のもとへ届くよう、伝え続けてくれることでしょう。