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オホーツクの流氷から学ぶ未来の海

市川さゆり

北海道

EAST

北海道札幌市を95日に出発して始まった、熱源キャラバン。
「お盆を過ぎると北海道はもう寒くなるよ」なんてことも聞いていたのですが、
広大な大地には、9月の暖かな(暑い?)日差しが・・・。
そんな中、キャラバンカーは、一路、東へ。
1回目の取材が始まります。

市川、実は、オホーツク海を見たのは、はじめて。
なんだか、男らしさを感じてしまいました。

そして、この海岸、通称〝流氷岬〟とよばれています。

その由来は、もちろん・・・

 

紋別の海は、毎年1月中頃から3月末頃まで、流氷に覆われます。
オホーツク海に来て、流氷を学ばずには帰れない!ということで、
向かったのがこちら!!

どうですか、絶対に「何かすごい秘密が隠されている!」感があふれているこの建物。
北海道紋別市にあるオホーツクタワーです。
流氷の観測や研究の拠点でもあり、流氷についての発信も行っている施設です。

案内して頂いたのは、この人!

オホーツクタワーの管理人で自他共に認める
“流氷オタク” の 村井克詞(むらいかつし)さん。

 

そんな村井さんから教えて頂いたのは、「オホーツクにおける流氷の役割」。

海水は凍るときに、内部にプランクトンを取り込むのだそうです。
プランクトンを含んだ流氷が、私たちがくらす沿岸部にやってきて、
春に氷が溶け出すと、プランクトンが増殖し、生きものたちのエサになります。
また、海の中にできた極端に冷たい部分が、あたたかい海水と接することで、
海の中に大きな流れが出来ます。

お風呂で、あたたかい水の方が上に来ようとする・・アレです。
このことで、海水が混ざり合い、
生きものが育つのに必要な栄養などが海全体に行き渡ります。

さらに、冬のオホーツク観光の目玉として、流氷は地域の経済にも役立っているのです。

しかし!
村井さんによると、今、そんなオホーツクの流氷に変化が起きているといいます。
『年々流氷がやってくる日数が少なくなっている』そうなんです。

村井さん達の調査によると、オホーツクタワー周辺の1月と3月の平均水温は、
23年間で約0.60.7℃上昇していて、10年ごとにオホーツク海全体の3.9(四国ひとつ分)の海氷域がなくなっているというデータもあるそうです。

オホーツク海が凍って、北海道に流氷が流れつくメカニズムは非常に複雑で、
氷が減少している要因は完全にわかっていないそうですが、
地球温暖化もその要因のひとつと考えられています。
紋別周辺は、北半球で海が凍る最も南側のラインです。つまり、地球温暖化などの環境変化の影響が、まず、はじめに起こるところなんです!

 

冷たい海に流れ着き、春になると、はかなく消えていく流氷。
その流氷には、海の栄養だけでなく、
わたしたちが学ぶべきこともぎゅっとつまっていそうです。