世界に誇る超循環型社会が見えてきた!【岐阜県 清流長良川あゆパーク編】
日本三大清流のひとつに数えられる長良川。
今回の舞台は、海なし県・岐阜です。
海に面しておらずとも、岐阜には豊かな大河があります。
長良川は、岐阜県北部の源流域から濃尾平野を縦断し、伊勢湾に注ぎ込むまで、全長166㎞。
流域には86万人もの人々のくらしがあります。
長良川と寄り添うようにつくられた施設「清流長良川あゆパーク」
ここは、世界農業遺産「清流長良川の鮎」の情報発信施設なんです。
「鮎?」
そう!今回この山なし県で海と繋がりを持たせてくれるのは「鮎」です!
鮎の話しを深める前に、、、、
なぜ「清流長良川の鮎」は世界農業遺産に認定されたのでしょうか?
そもそも、世界農業遺産って何なんでしょうか?
世界農業遺産(GIAHS)とは、その土地の環境を生かした伝統的な農林水産業や、生物多様性が守られた土地利用、農村文化や農村景観などが一体となり、持続保全が図られている世界的に重要な地域を、
後世に引き継ごうと認定されています。
長良川の澄んだ水の中で育つ「鮎」は、流域の食や伝統文化、歴史、経済と深く結びつき、
長良川の豊かさをあらわす象徴なのだそう。
鮎を通じて見えてくる、そうした人々生活、水環境、漁業資源が相互に深く関わり循環する仕組み。
それは世界に誇るべき「里川」のシステムと呼ばれ、2015(平成27)年、そんな「里川のシステム」が世界に認められ、「清流長良川の鮎」として世界農業遺産に認定されました。
素敵ー!!!!!!
この「清流長良川あゆパーク」は、そんな清流のシンボルともいえる鮎を通して様々な体験や情報を発信している施設なのです。
こちらの施設では、鮎の友釣りなどの漁業体験や、捕まえた魚の塩焼きなどの食体験ができます。
触れて、遊んで、食べて、楽しめる施設と言うことで、ここ3年間の平均年間来場者数は約10000人!そのうちの8割が子どもなんだそうです。
私も体験してみました!
簡単そうに見えて意外と難しい!
掴む場所やタイミング手に触れるヌルっとする感覚は
普段中々味わうことがないのでドキドキ。
自分でつかみ取りした鮎を、生きたまま串打ちしそのまま塩焼きに。
串打ちはコツが必要で中々思うようにいかなかったのですが、
自然の恵み=命をいただくということがダイレクトに伝わってきました。
子ども達にとっては、鮎を手づかみすることも、
生きたまま調理し食べることも全てが貴重な体験ですよね。
とても良い「食育」だと思いました。
鮎は海と川を行き来する回遊魚です!
そして「年魚」と呼ばれるように、1年でその命を終えます。
秋、孵化した仔魚は、河口まで流れていき、海に出ます。
冬、海で過ごし、波打ち際の動物プランクトンを食べて育ちます。
春、群れを作って川を遡上し、中流域~上流域へ(若鮎)。
夏、縄張りを作り、“コケ”や“アカ”と呼ばれる石に付く藻類を食べて成長します。
秋、川を下り(落ち鮎)、中流域で産卵後、一生を終えます。
このように、海で育った稚魚が川を上り、
森が供給する豊かな水が流れる川で成長・成熟し卵を産みます。
鮎にとって海も生きるために必要だということが分かりますよね。
だからそこ、山も川もそこに繋がる海も全てを守っていかなくてはいけないのです。
森と川、鮎、文化、そこで暮らす人々。
全ての繋がり完成されるのが長良川システム。
このシステムがずっと保たれ、次の世代に受け継げがれいって欲しい。