“熱源”人材 - NETSUGEN JINZAI

福井

海は人生の必須栄養素。ビタミンSEA(シー)!

好奇心に燃えるビーチコーマー

高島 直子

NAOKO TAKASHIMA

PROFILE
生年月日
1971年1月14日
主な活動エリア
福井県内の海岸一帯
NPO法人エコプランふくいに勤務する傍ら、漂着物愛好家としてビーチコーミングに情熱を注ぐ主婦。福井県大野市出身。
福井市自然史博物館友の会会員で、漂着した生き物の骨格標本などを作る「骨部(ほねぶ)」でもボランティアスタッフとして活動。漂着物学会の会員でもある。

漂着物に萌える!私だけの宝探し

海の楽しみ方は数あれど、高島さんがどハマりしているのは、ビーチコーミング。
海岸には貝殻や流木、ガラス片、ごみなど、毎日様々なものが流れつきます。そのような漂着物の中から自分が「これは!!」と思う物を探し出して観察したり集めたりする、すなわち“海辺での宝探し”がビーチコーミング(=浜辺を櫛けずるように丁寧に探すという意味)です。

「15年前、3人めが生まれた頃に子どもたちを広い場所で遊ばせようと浜へ出かけたのがビーチコーミング人生の始まり。子どもよりも自分がハマってしまい、三里浜という砂丘をホームとして活動を始めました。北陸のビーチコーマーの師匠、林重雄さんとの出会いも大きかったです。林さんが講師を務めるビーチコーミング講座(福井県海浜自然センター)に参加して勉強するようになり、海流や地理にもどんどん詳しくなってしまいました(笑)」

ビーチコーミングの醍醐味を聞くと、

「宝は人によって違うので、まさに“自分だけのお宝”を手に入れられるところがいいんです。例えば、ある5歳の男の子は干からびたハリセンボンを10個くらい拾ってた。それってかなり臭いんですけど彼はホクホク顔なわけです。他に誰も欲しがらないから喧嘩にもならない(笑)。あとは、たまに食材に出会えるのも助かります。瀕死のアミモンガラを拾った時はお鍋に投入しましたね〜」

なんとも楽しそうな高島さん。世界最大の豆である亜熱帯産のモダマ (藻玉)や、非常に珍しいルリガイなど様々な発見と経験を重ねるうちに、流れ着く生き物への関心も高まり、福井市自然史博物館の標本作りにも参加するようになりました。

「イルカもクジラも流れ着いたら漂着物です。絶滅の恐れがあるタイマイやヒメウミガメが打ち上げられることもあり、今年の6月にも発見しました。そのような希少種は自然史博物館に運ばれて、動物標本作製ボランティアの『骨部』が標本にします。私もその部員なので大物も解体できますよ!2010年に仲間たちとビーチコーミング展を開いた時には、県内で初めて発見されたアオウミガメの子どもを標本にして展示したこともありました」

冬の日本海というと、海は荒れて浜は閑散とし寒々しいイメージがありますが、日本海側のビーチコーマーにとって冬は胸が高鳴るシーズン。北西の季節風が強まり日本海側に多くの漂着物が打ち上げられるため、「テンション上がるアツい季節!」なんだそうです。

「冬の海って意外と賑やかでお宝がわんさか。絶対に見つけたいものは、アオイガイ(貝殻に入った雌のタコ)!タコブネ(貝殻をもつタコ)!モダマ!ガラスの浮き!寂しいと思われがちな冬の海の魅力を知っている、ビーチコーマーって幸せだなと思いますよ」

(↑)ワークショップ参加者と一緒にビーチコーミング 。冬の海も楽しい!

海辺に通うようになり、宝探しを楽しむ一方で多くの漂着ごみとも向き合うこととなった高島さん。打ち上げられる漂着物は海由来のものばかりではなく、陸で捨てられたごみが河川を通って海に注ぎ込み、海を漂った後で漂着することも多いのです。
海ごみ削減に少しでも貢献できるようにと、ビーチコーミングを通じて海への興味を持ってもらうワークショップを開催し、その様子をYouTubeで発信することにも取り組み始めています。

「頻繁に海に行き身近に感じるようになれば、ごみの現状も分かるし、綺麗な海を守りたくなるはず。ビーチコーミングはみんなで楽しく安全に遊べて、ごみ問題への意識づけも出来る良い手法なので、この活動を通じて海好きを増やしたいです。海もビーチコーミングも私にとって本当になくてはならないもの。まさにビタミンSEA(シー)なんです!!」

人生を豊かにするビタミンSEAの大量摂取で楽しくパワーチャージし続ける高島さん。漂着物へのマニアックな愛、これからの発信がますます楽しみです!

★ 編集後期 ★ 実はこんな人!

真冬の浜へビーチコーミングに繰り出して、遭難しかけた経験も。
「いい天気だったのでヤル気満々で石川県の片野海岸まで行ったらあれよあれよという間にホワイトアウト。雪で視界が真っ白の中、ここで死んだら笑われるよな〜と思いつつ足元のキノコを観察しながらてくてく歩いて帰りました。往復7.5kmでしたね」
・・・剛毅!!

自分を海の生き物に例えると?

「ラッコ。友達の娘さんが私を『ラッコ先輩』って呼ぶんですよ〜。お腹の存在感と、甲殻類を上手に捕まえるところが似てるらしい(笑)」

イカ・カニ・タコを鮮やかに捕獲した姿を見ての命名だったとか。漂着物も食材も見事にゲットする(そして食べる)ハンター高島さんへのリスペクト溢れるネーミングですね!